アスベストに関する御相談が増えています。
ここのところ、家屋やビルなどの解体を検討されている方より、「アスベスト(石綿)」についてご相談をいただくケースが増えております。
アスベストは何が悪い?
アスベストは天然に産出する繊維状のケイ酸塩鉱物です。
繊維1本は直径0.02-0.35μm(髪の毛の5,000分の1)程度で、 綿のように軽く柔らかい形状で耐熱・耐火性や防音性、絶縁性など、 数々の優れた性質を持つことから、 世界中で多くの建設資材、電気製品、自動車、家庭用品等に重用されてきました。
しかし、アスベストは、体内に吸い込むと健康被害を及ぼすことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで予防や飛散防止等が図られています。
アスベストを使った建物を解体する際などもあり、職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に健康被害が起こるといわれており、 潜伏期間は15~20年といわれております。
アスベストによる健康被害
アスベスト暴露から肺がん発症までに15~40年の潜伏期間があり、暴露量が多いほど肺がんの発生が多いと言われています。
診断・治療は一般の肺がんと同様で、肺を取り囲む胸膜、腹部臓器を囲む腹膜等にできる悪性の腫瘍などが挙げられます。
若い時期にアスベストを吸い込んだ人のほうが悪性中皮種になりやすいことが知られています。
アスベスト含有建材が劣化するとアスベストが飛散する?
石綿は、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで予防や飛散防止等が図られています。
石綿による健康被害は、石綿を扱ってから長い年月を経て出てきます。
使用は禁止されたものの…
2006年9月1日に施行された改正労働安全衛生法施行令により、日本ではアスベスト及びアスベストを重量の0.1%を超えて含有するすべての物の製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されました。
しかし、私たちの身の回りにはすでに吹付けアスベストやスレート、建物内の断熱材など大量のアスベストが存在します。
このため、将来これらの建物の解体や建て替え時期には数十万、数百万といったアスベスト健康被害者がでるのではないかと心配されています。
建物を壊すときにはどうしたら良いの?
建築物又は工作物の解体等の作業を行うときは、あらかじめ石綿(アスベスト)の使用の有無を調査する必要があります。
石綿等の使用の有無を書面調査、目視調査を実施し、それでは明らかとならなかったときには、分析調査を行うか、石綿を含有するものとして取り扱うことになります。
また、アスベストの使用が不明のままでは、不動産取引に当たり、通常はアスベストがあるものと評価され、建築物自体の資産価値を下げることになります。
また今年度より外壁の塗料にもアスベストが含まれている可能性が指摘されており、外壁の塗材も検査が義務付けられております
2022年4月1日以降に着工する、一定規模以上の建築物又は工作物の解体等工事では、石綿の使用の有無を調査した結果を都道府県又は大防法政令市に報告する必要があります。
吹付け石綿、石綿含有断熱材・保温材・耐火被覆材が使用されている建築物又は工作物の解体等の作業を行うときは、大気汚染防止法に基づき、石綿の除去等に係る一連の作業を開始する14日前までに、都道府県等に届出を行い、石綿飛散防止のための作業基準を遵守しなければなりません。なお労働安全衛生法や廃棄物処理法等の遵守も必要です。
工事届出
工事の際には、アスベストが適切に取り扱われているかを確認するため、大気汚染防止法や建設リサイクル法等の手続きが必要となります。
事前調査は誰に頼めばいいですか?
まずは解体業者へ相談しましょう。
アスベストの使用状況については、アスベスト含有吹付け材が規制された年代と建築年代などの情報から確認をしていくこととなり、「建築物石綿含有建材調査者」による調査が必要となります。(建築物石綿含有調査者の有資格者が当社に在籍しております)
(有)日昇興産では、高知県建築物のアスベスト使用状況の把握に努めておりますので、事前調査に関して、ご検討の方はご相談ください。